ドゥカティ新型Panigale V4(MY2027)発表 最高出力218ps、ヴァレルンガで平均ラップタイム0.4秒短縮

ドゥカティジャパン株式会社は、ドゥカティのスーパーバイク「Panigale V4」の2027年モデルを発表しました。イタリアのヴァレルンガ・サーキットで実施されたテストでは、新型は従来モデルに比べて平均ラップタイムを0.4秒短縮しています。エンジン、エアロダイナミクス、シャシー、エレクトロニクスのすべてに手が加えられています。
ドゥカティ・スーパーバイクは、40年近くにわたる成功、開発、革新の歴史の中で、7世代にわたって進化を続けてきました。ドゥカティは、2024年のワールド・ドゥカティ・ウィーク(WDW)で発表したPanigale V4のニューバージョンを、同イベントで開催されたレース・オブ・チャンピオンズに投入し、以前のモデルより1秒速いタイムを記録しています。それから2年を経て発表されたのが、その進化形となるMY2027です。今年のWDWで開催されたレノボ・レース・オブ・チャンピオンズでは、MY27に搭載される多くの機能が実証されました。歴代のドゥカティ・チャンピオンが集まったこのレースで、ニコロ・ブレガ選手は過去のポールポジション・レコードを0.7秒短縮しています。

デスモセディチ・ストラダーレは218psへ レブリミットは15,000rpm
デスモセディチ・ストラダーレ・エンジンは、全体の効率を高める方向でアップデートされました。主な改良点は、エグゾースト・システムの改良、新しい高流量エア・インテークの採用(300km/h走行時で+0.6%)、潤滑油回路の流量の再調整です。潤滑油回路の見直しは、動力損失を減らすことを狙っています。これらの改良により、Euro5+認証仕様での最高出力は218ps(+2ps)になりました。特に12,000~14,000rpmの出力が向上しており、13,000rpmではピークパワーが3.5ps増えています。さらに高速域では、新しいインテーク・システムによって300km/h走行時に1.3psのパワーアップを果たしています。
最終減速比は2.563から2.471に変更され、最高速度は12km/h向上しました。2速から5速のレブリミットは500rpm引き上げられ、15,000rpmになっています。最適なギアを長く使えるため、ギアチェンジの回数が減り、ライン取りやライディング・テクニックに集中しやすくなります。ヴァレルンガ・サーキットでは、1周あたりのギアチェンジが2回少なくなります。新しいエア・インテークによって空気抵抗は増えますが、より大きく効率的なエンドプレートを備えた新形状のウィングがこれを相殺しています。
サーキットでの性能をさらに求めるライダー向けには、アクラポヴィッチ製のフルレーシング・エグゾーストPROも用意されています。出力は11ps、トルクは7Nm向上し、車重は6.6kg軽くなります。

フロント・フレームの剛性を見直したシャシー
シャシーでは、深いバンク角でもタイヤの性能を最大限に引き出すことに重点が置かれました。主な変更点はフロント・フレームで、横方向の剛性を12%下げたことで、深くバンクした状態でもタイヤが路面をとらえやすくなっています。フロントのグリップとコーナリング時のフィーリングが向上し、コーナーの頂点へ向かうラインをタイトに保ちやすくなりました。その結果、高いコーナリング速度を維持でき、コーナー脱出時にスロットルを早めに開けられます。
新しい最終減速比は、車体の運動性能にも間接的に貢献しています。ホイールベースは8mm短縮されており、Panigale V4 Sはコーナーの切り返しでいっそう俊敏になりました。ワインディングロードでも扱いやすくなり、身体的な負担も軽くなります。V4 Sには、サーキット走行向けに設計された調整式の新しいクリップオン・ハンドルも採用されました。ハンドルバーを10mm高くセットでき、ライディング・ポジションが高くなります。これは近年のMotoGPマシン開発の傾向に沿ったものです。ただし、この調整ができるのはサーキット走行時のみで、調整した状態での公道走行はできません。

ダイナミック・エンジン・ブレーキとレース・ブレーキ・コントロールを搭載
エレクトロニクスは、ドゥカティのMotoGPライダーやSBKライダーに近い感覚を、一般のライダーも体験できるように進化しています。新機能の中心は、従来のエンジン・ブレーキ・コントロールに代わるダイナミック・エンジン・ブレーキです。ドゥカティ・ビークル・オブザーバー(DVO)アルゴリズムを使い、リア・ホイールに実際にかかっている負荷に応じてエンジン・ブレーキを調整します。これにより、コーナー進入時の挙動が予測しやすくなり、コーナリング中のブレーキングも安定します。
あわせて、レース・ブレーキ・コントロールが初めて搭載されました。ドゥカティのラインナップの中でももっともエクスクルーシブなモデルで得られた経験を直接反映したシステムで、減速時のリア・ホイールの役割を高め、利用できるグリップをより有効に使えるようにします。この2つのシステムが連携することで、通常はプロ・ライダーにしかできないリア・ブレーキの自在なコントロールが可能になります。これにより、ブレーキング・ポイントを遅らせることが可能になり、コーナーへの進入速度を維持して、よりタイトなライン取りにつながります。

発売時期と主な仕様
新型Panigale V4は、ヨーロッパのドゥカティ正規販売店で2027年3月から、日本の正規販売店で4月から販売が始まる予定です。その他の国々でも、その後数ヶ月のうちに販売が始まる予定です。Panigale V4 Sでは、ドゥカティ・ファクトリー・メイド・プログラムも利用できます。ボルゴ・パニガーレのファクトリーで、好みのカラー、グラフィック、コンポーネントを選び、自分だけの1台を工場で直接仕立てられるプログラムです。ただし、提供はヨーロッパ市場から始まり、日本市場への導入時期は未定です。
Panigale V4 Sの主な標準装備
- カラー:ドゥカティ・レッド、アーバングレー・フレーム、ブラック・ホイール/パフォーマンスカラー、アーバングレー・フレーム、ブラック・ホイール
- デスモセディチ・ストラダーレ・エンジン、1,103 cc
- 最高出力 218ps@13,500rpm、最大トルク 120.6 Nm@11,000rpm、レブリミット @ 15,000rpm
- 新しい大型フロント・エア・インテーク(300km/h走行時の空気圧+0.6%)
- 装備重量(燃料を除く):187 kg
- 横方向の剛性を最適化したフロント・フレーム、17リットル・アルミニウム製燃料タンク
- ドゥカティ・エレクトロニック・サスペンション(DES)3.0、オーリンズ製NIX30フォーク、TTX36リア・ショック・アブソーバー、ステアリング・ダンパー(いずれもオーリンズ製Smart EC 3.0電子制御システム)
- 5スポーク鍛造アルミニウム製ホイール、リチウムイオン・バッテリー
- ブレンボ製Hypure™ モノブロック・キャリパー付きブレーキ・システム
- ピレリ製ディアブロ・スーパーコルサV4タイヤ(リア・サイズ:200/60)
- 一体型デザインと大型化されたサイド・エンドプレートを備えた新しいバイプレイン・ウィング
- 6軸慣性測定ユニット(6D IMU)を備えた最新世代のエレクトロニクス・パッケージ:コーナリング機能付きレースeCBS、DTC DVO、DSC、DWC DVO、DPL DVO、DQS 2.0、ダイナミック・エンジン・ブレーキ(DEB)、レース・ブレーキ・コントロール(RBC)、DVO
- レベル変更用クイックアクセス・ボタン、8:3のアスペクト比を備えた新しい6.9インチフルTFTメーターパネル
- ライディングモード(レースA、レースB、スポーツ、ロード、ウェット)
- デイタイム・ランニングライト(DRL)とターン・インジケーターを統合したフルLEDヘッドライト
- シングルシート仕様(パッセンジャー・キットはアクセサリーとして入手可能)
- ドゥカティ・データ・ロガー(DDL)とドゥカティ・マルチメディア・システム(DMS)に対応
Panigale V4(Sモデルとの違い)
- カラー:ドゥカティ・レッド
- 装備重量(燃料を除く):191 kg
- 43mm径 ショーワ製フルアジャスタブル・ビッグピストン・フォーク(BPF)
- ザックス製フルアジャスタブル・モノショック、ザックス製ステアリング・ダンパー
- Y字5スポーク軽合金ホイール、鉛バッテリー














